匂いの力 | |
ほんとうにためしたレポートだから納得できる。 | |
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匂いの力 八岩まどか著 青弓社 おすすめ度 ★★★★★ ○ 「匂いの魔力」はヨーロッパのにおいの歴史でしたが こちら 「 匂いの力 」は日本のにおいの歴史といえるでしょう。 参考文献は 「古事記」からはじまり学生時代にお世話になった古典を 網羅しています。 また海外から見た日本として「日本見聞録」「江戸参府紀行」など 一度は聞いたことある(聞いたことしかないのが、、、わたし) 文献も参考にしています。その量がすごい!!!! 一部目次をご紹介。 ○人間の性を司る「匂いの神」 ○魔をよける糞尿の力 ○便所の神様 ○肥溜めを恐れる異人たち ○聖人は体が香る ○深夜の東京を襲った謎の悪臭 などなど 読んでみなくなるでしょう? o(^-^)o カツのお気に入りポイント 十八世紀半ばに、死者の検死について指導書が出されたそうです。 その方法とは、、、 -------以下抜粋です。-------- ヒマシ油を鼻に塗るか、蘇合香丸(そごうこうがん)で鼻の穴をふさぐ、あるいは ニンニクをすって鼻に塗ってから、死体を見るべきである。 -------抜粋ここまで-------- これをしないと、鼻から悪臭がはいって病気になることがあるそうです。 これって、「 匂いの魔力 」(カツのにおいの本で紹介しています)に記述されているのと とてもよく似ています。 ペストで死んだ人のにおいを嗅がない為にヨーロッパの人々も苦労してたんです。 住む場所は違っても、考えることは似ているんですね。 o(^-^)o カツのお気に入りポイント -------以下抜粋です。-------- 「今昔物語集」に、平貞文(平中と呼ばれていた。)というプレイボーイが侍従の君という 若い女官に恋をして、焦がれ死んだという話が載っている。 ・・・・・中略・・・・・ 平中は何度も恋文を送るが、何の返事もない。 侍従の君への恋に思い悩んだあげく、平中はひとつの決心をする。 「どんなに素敵な女性でも、筥に入れるものは同じだ。それを見れば、 この熱い思いも自然に冷めてしまうだろう。」 この筥とは便器のことであり、当時の女性たちはこの筥に毎日の用を足していたのであり、 そのつど召使がそれを捨てて洗っていた。 -------抜粋ここまで-------- 平中は君の部屋から召使がでてきたのを狙って、筥を奪い取ったんですね。 しばらく迷ったあげく、ふたを開けるのですが、良いにおいが立ちのぼってきた。 中には丁子を煮た汁を尿に見せかけて、そこに黒坊で作った大便を入れてあったそうです。 当時は匂いは恋愛の重要なファクターでしたので、平中の恋心は益々燃え上がり 病気になって死んでしまいました。 これって、すごい!!! 好きな女の排泄した便器を奪い取ったことでなくて、、、、 男は完全に行動を読まれ、もてあそばれています。 女はおそろしい、、、、いや、平安時代の女性のことです。
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